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円高進行、介入実施はいばら道

先週初めからイタリアやスペインの国債利回り急低下は、欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れが原因であった。先週末から週初にかけて欧米の株式市場の上昇でも、4カ国が金融株の空売り禁止措置を打ち出したことによるものである。ともに欧州の財政問題や世界的な景気低迷など根本的な原因の解決によるものではない。

 

また、先週木曜のスイス国立銀行(SNB)のジョルダン副総裁によるスイスフランのユーロに対するペッグの可能性を示唆するコメントや、週末にはスイス政府とSNBが、EUR/CHFの目標設定の可能性について活発な議論を行っていると、スイス紙ゾンターク・ツァイトゥングが伝えた。為替市場で避難通貨となっていたスイスフランは、スイス政府・SNBの通貨高牽制により下落している。リスク回避先としてスイスフランが見込めない状況となれば、その分、円が買われ円高に振れやすい状況が発生する可能性があるため、円高進行には警戒が必要である。

 

一方、今後の円売り介入について、野田佳彦財務相は14日のNHKの番組で、為替市場について「マーケットを注視しながら、必要な時には断固たる措置を取る」と発言した。ただ、今月4日の日本財務省の円売り単独介入に否定的だった欧米の様子から、現在の1ドル=76円台では円売り介入に踏み切るのは難しくなったと思われる。先週8日のG7声明でも「向こう数週間緊密に連絡を取る」と発言があり、来月(9月)9〜10日に開催予定のマルセイユG7へ向けて協議が続いていると思われる。さらに、先週後半のフランスやスペイン、イタリア、ベルギーの空売り規制をきっかけに、欧米の株式市場は上昇に転じている。円売り介入の実施にあたっては、世界的な株安と無秩序な円高が同時に起こっている場合に、主要国からの理解を受けられるとの認識である。現在のように円高が進んでも、欧米の株価が反発している間の円売り介入は、理解を得られない可能性が高い。日本の財務省としても、株高が続けば円売り介入を実行し難く、円高余地は拡大すると見ている。

 

今週は一連のイベントが終了し、市場の関心は、景気の先行きに対する懸念へ戻っていくことになろう。具体的には比較的多く発表される経済指標の結果が、今後の景気回復見通しを支えるものになるかどうかである。景気回復を示すような結果であれば、リスク姿勢を強め、逆に景気後退を示すような結果となれば、リスク回避姿勢を強めることになる。

 

また、本日(16日)の独仏首脳会談で、債務危機に向けた具体案がでるかどうか見どころとなろう。

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